【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、かなえたい夢】
好きな仕事でだれかの力に
日本大学三島高等学校  安 間 康 雅  17歳

私はいつも将来のことを考える時、こう思っている。自分が好きなことを仕事にできたらどんなに良いだろうと。夢をかなえ、好きな仕事に就き、また十分な収入を得て生活をおくる。そんな人生は、誰しもが望むことだろう。しかし私は、こうも考える。好きだからと言って、その仕事が得意ではないかもしれないと。正直、好きという気持ちだけでは通用しない。イメージとはまったくちがうかもしれない。好きな仕事、さらにその仕事を通じて夢をかなえることは、非常に難しいことだ。

私が理学療法士という仕事に興味を持ったのは去年のこと。小学校から野球をしており6年生の頃から肘に怪我を負い、リハビリに通っていた。その頃から、スポーツ医療関係の仕事に就きたいと漠然と考えていた。そんな中私は去年の春、右肘の内側側副靱帯再建術、またの名をトミージョン手術をうけた。この手術は、誰しもが知るであろう、あの大谷翔平選手と同じ手術である。不安もあり、受けるか受けないか1ヶ月悩んだすえ、受けることをきめた。しかしリハビリの期間はなんと1年。高校野球において1年のブランクというものは大きい。そのリハビリに一番近くで接してくれたのは、理学療法士の方々だった。「ぜったいに上手くいく。がんばろう。」と声をかけてくれたことが、すごく支えとなり印象的だった。それから私は、理学療法というものを学びたいと思うようになった。そして今、私は理学療法士になりたいという夢がある。

理学療法士は、ケガや病気などで身体に障害のある人に対して、座る、立つ、歩くなどの基本動作を回復させることを目的としている。また、仕事以外にも実生活にも生かせる知識技術に魅力を感じた。人々の生活を支えるという意味でも、たいへんやりがいのある仕事だと思う。

日本の医療が発展している今、多くの人々が求めていることに対応するために様々な知識を持った技術者の存在は欠かせない。だから私は、だれかに求められる人になりたい。将来は理学療法士になって体に不自由をかかえた人たちの力に少しでもなりたい。自分の仕事がだれかの力になれることは、なによりもよろこばしいことだ。

好きなことを仕事にするのは簡単ではないだろう。しかし私はそれでも好きな仕事がしたい。決して理学療法士になることがゴールではない。むしろスタートラインだと考えなくてはならない。好きな仕事でだれかの力になりたい。

未来の目標のため、私は今できる最善の努力をやらなくてはならない。それが夢のための一歩であると信じて、これから頑張っていきたい。

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