【 奨 励 賞 】

【テーマ:さまざまな働き方をめぐる、わたしの提言】
仕事選びに迷える子供たちへ
徳島県 平 野 晃 史 63歳

私は現在63歳、建設会社の設計部に勤務しています。自分の好きな仕事ができる、こんな幸せなこと はないといつも思っています。定年退職後、ハローワークに通い、住宅設計をさせてくれる会社をピン ポイントで探しました。昔、大学の教授が「建築設計は住宅に始まり、住宅に終わる。」と言っていたこ とを思い出しました。もうかつてのように大規模な建物の設計はできないけれど、住宅設計ならその人 に合った最上の住空間を提供できるかもしれないと思ったのです。これも自分の好きな仕事だからでき ることだと思っています。そして現在、今の会社に出会えることができました。毎日、住宅設計業務に 携わっています。当然、住宅以外の設計業務もありますが、建築設計が好きな私にとって、幸せな日々を過ごしています。私はこの建築設計が私にとっての天職だと思っています。可能な限り、現在の仕事 を続けたいと思っています。

そこで「仕事選びに迷える子供たちへ」提言です。

これはかつて私が、私の子供たちによく言って聞かせていたことです。

これから学校を卒業して社会に出ていくとき、男も女もないよ。みんな仕事をしていかなければなら ない。そうしないと生活ができないし、生きていけないよ。これは独身でも、結婚して家族をもっても みんないっしょだよ。だから、できることならその仕事は自分が好きなことが大事だよ。「好きこそもの の上手なれ。」と言うだろ。だから自分の好きなことを早く見つけることだよ。その好きなことができる 仕事を早く見つけるんだ。私は中学生の時に建物の設計図を書いてみたいと思った。その建物はずっと 残る。そんな仕事がしたいと思った。そして今、建築設計を自分の仕事にしている。だから職業はなん だっていいんだ。ケーキ屋さん・寿司屋さん・動物病院の看護師さん、なんだっていいんだ。テレビを 見るのが好きなら、いろんなテレビ番組を見て、テレビの評論家になればいい。ゲームをするのが好き なら、ゲームの解説本が出せるくらいになればいい。自分の好きなものを早く見つけるんだ。早く見つ ければ、その目標に向かって早くから努力できる。それだけ努力できる時間が長くなる。そうだろ?努 力する時間が長くなれば、それだけその仕事に就ける可能性が高くなる。

又、「人は守らなければならないものができたら戦士になる。」という言葉を聞いたことがある。妻で あれ、子供であれ、親であれ、その人たちを守るためには戦士にならなければならない。その戦うため の武器が仕事になるんだよ。

そして、どうせ戦うなら自分の好きなフィールドで戦う方が有利だろ。

しかし、どうしても好きな仕事に出会わなかったら、それはそれで割り切って、自分の好きなことを するために仕事をすればいい。だから自分の好きなことはしっかりと持っている方がいいよ。何が自分 は好きなのか、何をしている時が一番好きなのか、その部分をしっかり、はっきりさせることも大事な んだ。

自分の好きな仕事に就けなくても腐る必要はない。その分、自由な時間が取れたときには、目いっぱ い好きなことをすればいい。そう考えると仕事選びも、少しは許容範囲が広くなる。しかし、その中で もやはり自分の好きな方を選択したい。好きであれば、ストレスも少なくて済むし、何よりも心の健康 にいい。

これが、私の子供たちによく話していた職業選びの話です。これから仕事を探す子供たちへ、しっか りと自分の好きなものを見つけて、長く続けることができる職業に就けることを願っています。

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