【努力賞】
「やりたいこと」を仕事に
ヒューマンアカデミー東京  栗田好章  24歳

「大手企業に入社して親孝行しよう」当時22歳の私はそう考えていました。大学4年生の春。全国の学生が厳しい就職活動をスタートさせました(私が大学生の頃は4月スタートでした)。私は、希望していた地元の大手企業へ入社を決めることができました。入社後3ヶ月間泊まり込みでみっちり研修。

「両親のためにもがんばろう」と毎日研修後も遅くまで勉強し続けました。そのおかげで成績トップ10に入り、上司や先輩方から期待されながら本配属となり、社会人としての生活をスタートさせました。

「結果を残して、お客様と会社に貢献して親孝行しようと」という思いを胸に一生懸命仕事に取り組みました。

入社して月日が経ち、両親を美味しいご飯屋さんへ連れてったり、プレゼントを贈ったりして少しずつ親孝行は始めることができた頃でした。両親から「今の仕事は楽しい?」と聞かれました。私はすぐに答えることができませんでした。続けて「やりたいことはできているの?」と聞かれました。これにも私はすぐに答えることはできませんでした。当時の私は、朝早くから出社し、夜遅くに帰ってくるという生活を送っていました。両親からすると私は無理して働いているように見えたそうです。この時両親の言葉を聞いて「自分がやりたいことはなんだろう」と考えました。自分と向き合った結果「親孝行したい」という思いは変わらずありました。もう一つ新たに「やりたいことを仕事にしたい」という思いに気づきました。当時の仕事を続ければ安定した人生を送れます。ただ「充実した人生を送れるか」と聞かれると答えは「おくれない」でした。そこで私は「やりたいことを仕事にし、親孝行する」と考えるようになりました。

就職活動をしている時、胸の奥にしまい込んでいた事がありました。「スノーボード業界で働きたい」。私は、両親の影響で幼いころからスキーをしていました。スキー場に通ううちにスノーボードに憧れ、興味本位で初めてみたら魅了され「スノーボードに携わる仕事がしたい」と思うようになりました。そして大学生になって就職活動の時、友人や先生方にこの思いを話しました。多くの方が「好きな事を仕事にできたら苦労しない」「安定した会社に入社して働いた方がいい」と言いました。当時、スノーボード業界の求人やつてを見つけられず焦っていた私は「そうか。安定した企業に入ろう」とすぐに諦め、スノーボードとは関係のない企業に入社していました。しかし、両親のおかげで「やりたいことをやる」という思いを隠さず、自分らしい自分の道を歩んでいこうと決意できました。

その後会社を辞め、現在はスノーボードの専門学校に通っています。技術や知識を身につけつつ、スノーボードショップやメーカーでアルバイトをしてメーカー就職の夢を追い続けています。同級生は10代の子が多く、毎日様々な刺激をもらい充実しています。「安定している会社を辞め、やりたいことを仕事にしていく」ということに対して多くの方から反対されました。「収入が少なくなる」「安定した生活送れないぞ」などの意見をもらいました。確かに.会社員の頃よりは収入も減り、安定的ではないでしよう。ただ、自信を持って言えることがあります。「やりたいことを仕事にするという道を歩みだしたことに後悔はなく、むしろ会社員時代より毎日が充実している」ということです。こんな生き方もあります。決して日々努力していらっしゃる会社員の方を否定するわけではありません。その道も立派な道の一つです。道は一つではなく、勇気を出してやりたいことをして働くという道を歩むのも一つだと思います。私は「やりたいことを仕事にして親孝行する」という道を努力怠らず歩んでいきます。

戻る