【努力賞】
【テーマ:仕事をしたり、仕事を探したりして気づいたこと】
責任という学び
東北芸術工科大学企画構想学科  奥山千遥  21歳

私は、「企画構想学科」という学部に所属しています。企画構想学科とは、アイデア発想やマーケティングなどの基礎を学び、チームで商品開発やイベントを開催することで、プロジェクトのマネジメントなどを学ぶ学科です。様々な業界で今必要とされている「企画力」を専門で学ぶ唯一の学科ということもあり、私たちの授業は普通の大学とは違い、一つのプロジェクトをみんなで作り上げていくところが特長です。

そのため、学外の活動も多くとても大変ではありますがやりがいのある活動でもあります。仕事の選択においても自分のやりがいという部分は大きく影響すると思います。

また、時に活動の内容は自分たちで好きに選択できるわけではない、というところも仕事と似ています。企業との連携の中では、やりたいことをやる、というだけでなく課題解決を前提とした活動にしなくてはなりません。

そんな一つの会社のような学科に所属しながら、私は自分たちの「活動」と本当に社会に出て「働く」ということの違いを考えてみました。

まず思いつくのは「金銭面」です。私たち学生は、授業料を払って講義という枠組みの中で学びを得ることが必要とされます。もちろん私達の活動にはお給料は発生しません。そのため、ある程度チャレンジや失敗が許されるという場面もあります。

対して仕事となると、お給料を頂いた分見合った労働を求められるため、結果や成果に対しての期待が高くなるところが決定的に違います。

私は今まで、働くということはすなわち「お金を稼ぐこと」だと思っていました。

しかし、自分が大学の中のプロジェクトで様々な経験をしていくうちに、それだけが仕事と活動の違いではないと考えるようになりました。

そのきっかけは、学科の大きなプロジェクトで私が副代表というポジションを任されたということでした。今までの自分は大切な部分で他人に同調したり、確認を人任せにしたり、責任から逃げるいい加減な部分がありました。しかし重要なポジションを任されたとき、このタイミングで変わらなければならないと強く思いました。今自分が身に着けるべきものは「責任感」であると感じたからです。

そのプロジェクトは企業から協賛金をたくさん頂いて運営する一大プロジェクトということもあり、いつもの自分たちの活動よりも「働く」ことに近い活動であったことも影響し、私は「責任感」とともに社会に出て「働く」ということを強く意識するようになりました。

自分が働く姿はあまり想像がつかないけれど、今大学で学ぶべきことはチャレンジと経験です。たくさんチャレンジしてたくさん大人の人と関わり、様々な経験をすることで、社会に出て「働く」準備をしながら今しかできない体験をしています。

「働く」ということは学生である私達の立場とは全く違い、「責任」がともなう社会の構成員になるということです。しかし、責任があるというのは私は怖いことだとは思いません。それだけの責任を背負える人ほど、社会に「自分の居場所」があるというとても幸せなことだと思います。

自分が働くときに背負う責任は、初めはそこまで大きくはないかもしれませんが、チャンスが「責任」をともなって自分の目の前にきたときには、恐れずチャレンジして責任ある仕事をやり通せる人間になりたいです。そのために今、企画構想学科という恵まれた環境の中で学べる全てを吸収していきたいと思っています。

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