【佳作】

【テーマ:仕事をしたり、仕事を探したりして気づいたこと】
私の充実感
島根電工株式会社  藤間理紗  23歳

「働くとは何か」、就職を決める際に誰もが直面する壁だと思います。実際私も、中学、高校、大学と進学先を考える際、毎回悩んでいました。

中学や高校の頃は、将来やりたいことや、なりたい職業が沢山ありました。しかし、大学生になり、1人暮らしを始め、アルバイトをしていくと、思い描いていた夢と現実の間にギャップが広がっていきました。自立して生きていくためには、お金が必要。その為に働かなければいけない。そして、自分で働いてお金を稼ぐことの大変さを、身を持って感じていました。

いざ就職活動が始まると、やりたいことが何なのかが分からなくなりました。色々な企業を調べ自分が本当にやりたいことは何か、また、働くことにおいて重要なことは何かを探しました。

働くということは、人生の大半を占めます。どういう職種で、どういう内容で、どういう人達と働くのか、それらが生き甲斐になると考えました。そして、仕事とは、お金を稼ぐ手段であると同時に、私を成長させてくれる機会の場、働くことでしか経験できない人生の充実感を味わうための手段であると考えました。

私の充実感とは、何かを達成した時、自分を活かすことができた時、人の役に立つことができ、喜ばれた時に感じることができます。そして、人に愛されることや褒められること、役に立つこと、必要にされることによって、その人のために自分が何かをしてあげたいと思い、行動に移すことだと思います。

アルバイトで経験したこの充実感を感じられる職業に就きたいと思い、就職活動を再開しました。入社した会社は、今までの学歴とは全く関係ない建設業です。女性の営業員は社内でも三人という、男社会の中で働いています。毎日が勉強で、上司、先輩方に相談しながら、なんとかこなしている状態です。人と接する仕事、お客様が喜んでくれる姿が見たくて、今の職業を選びました。日々いろんな人と出会うことができます。建設業での女性営業員。まだまだ男社会ということもあり、出会う人みんなに驚かれます。「女性で大丈夫?本当にできるの?」と不安がられる方もいました。

ただ、お客様の要望は何かということを追求し、一緒に悩み、最適な提案をすることで、どんなお客様でも最後は、「ありがとう」という言葉をいただきます。私はこの時、本当に嬉しく感じ、この仕事をやっていて良かったと思います。

日々悩み、泣き、怒り、喜び、笑いながらの仕事。毎日、自分の成長に繋がることだと感じています。嬉しい時も辛い時も、職場の方が共有して下さいます。これも、働く上で大切な部分だと思います。

なりたい職業がある人を今までは、羨ましく思っていました。しかし、自分なりにどういう仕事をしたいか、何ができたら嬉しいかを考えています。

人生の充実感というのは、人それぞれだと思います。望んだ会社に入社したがうまくいかなくて悩んでいる人、望んでいない会社に入社した人。そういう人は、まずその職場で今自分がどういう姿勢で仕事に取り組んでいるのか、どういう仕事がしたいのかということを考え働くだけで、「働くことはどういうことか」少しは見えてくると思います。

自分の考えで、仕事は楽しくも、辛くも、つまらなくもなります。職業を選ぶのも、職種を選ぶのも自分自身です。可能性は無限大です。今のうちにたくさん悩んで、後悔のない、楽しい人生を過ごしていきたいと思います。

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