【佳作】

私の夢への考え方
筑紫女学園中学校  西村花美  15歳

通訳になりたい。

私がある映画を観終わった感想が、「めっちゃ面白かった」となったわけだが、家に帰って色々思い返してみると、好きな俳優さんが喋っていることを耳で聞いただけで理解できるのも素晴らしいことだし、それを日本語字幕に変換して、見てる皆に伝える力というのもとてもかっこいいことだということに気付いた。(少なからず、好きなミュージシャンや映画俳優とお仕事したいというミーハーな気持ちも少しはあるけれど……)それが、私がこの職業に就きたいと思ったきっかけで、通訳という仕事に関して色々調べたりするようになったきっかけである。

だが、英語力が必要となる仕事は通訳以外に他にもCAや英語学校の講師などたくさんある。その中でなぜ、私が通訳になりたいと思ったのか。

英語だけの力なら、外資系企業に勤めることもできる。だが、通訳は自分が英語を理解した上で日本語に変換する国語力も必要。国語が一番好きな私にぴったりだと思うし、それに気付いたのが、父から聞いたこんなエピソードだった。

アメリカ前大統領バラク・オバマ氏が広島平和公園を訪れてスピーチをしていた時に、各テレビ局がそのスピーチを生中継して同時通訳していた時のこと。同時通訳で放送中、本人は間違いなく凄い英語力でスピーチを聞き取っているのだろうが、それを日本語訳したときにいまいち言いたいことが伝わらず、聞き手側としてイライラしたので他のチャンネルに変えたところ、そのチャンネルの通訳さんは物凄くスムーズに、オバマ前大統領が述べている内容を理解できるように通訳してくれていた。

この話を父から聞いて、自分がやりたい仕事をしている人たちも、こんなに能力差があるのか、と思うと、目指す側にしてみたら学ぶことがたくさんあってやりがいに感じる。

いろいろな国の人や、いろいろな文化を持つ人たちとふれあうということに関して、願望と実益を兼ね備えた、まさに自分にとってノンストレスで挑める職業だと思った。

私は日頃、自分が思っていることや言いたいことなどを人に上手に伝えるのだが得意な方ではない。ネイティブな英語を聞き取り、自分の頭の中で変換し、皆に分かりやすく伝える、そういったことを学んでいこうと思えば、この後に控えたオーストラリア研修などがとても有意義なものになると思う。

私が通訳という仕事を通じてかなえたい夢。とはいっても通訳になることが私の一つの夢であり、その夢をかなえていない今の段階では、まだはっきりとは分からないけれど、言葉の違う他の国の人たちと進んで友達になってみたり、英語の曲や外国の歌手を好きになってみたりするうちに、必ず見つかると思う。流行りの映画の英語で書かれた原作本を読んでみたり、英語でしか話せない友人と、日本人の友人の仲を取り持ったりしていくのも面白いかもしれない。

考えたくはないが、万が一夢破れたとしても、これからの時代、英語をたくさん頭の中に詰め込んでいると必ず役立つ時は来るし、日本人として国語のスキルを高めておくことは絶対損ではないと思うので、まさしくノーリスクハイリターンである。なので、この夢に向かって、プレッシャーを感じずのびのびと挑もうと思う。

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